とうとうバトルガール ハイスクールのサービス終了が決まりました。
なかなか、よくできたゲームで気に入っていたのですが非常に残念です。
サービス終了
2019年5月31日(金) 15:00にバトルガール ハイスクールのサービス終了が告知されました。
告知と同時にアプリの新規開始はできなくなっており、現状では告知以前からプレイしていたユーザーが機種変更や再インストールで環境を引き継ぐ場合のみ起動できる状態です。
- バトルガール ハイスクール(App Store)
- バトルガール ハイスクール(Google Play)
また、内部通貨である「星のかけら」の新規購入もできなくなっています。未使用分の払い戻しなどは今後行われるようです。
サービス終了は、2019年7月31日(水) 15:00とのことです。
バトルガール ハイスクールとは
数年前に、こんなTV CMを見たことがあるのではないでしょうか。
バトルガール ハイスクールはコロプラからiOSとAndroid向けに配信されているスマホゲームです。
2015年4月16日から配信されているので、2019年7月31日まで1,567日、4年と3か月半という比較的長い間生き残っていたゲームです。
他のスマホゲームと同様に基本無料でアイテム(ガチャ)に課金させることで収益を得ていました。
1年でアニメ化が決定し、
1年半で300万ダウンロードを達成していました。
ただ、この後はダウンロード数を発表しなくなったので、何かしらひずみが出始めていたのかもしれません。
ゲーム内容
バトルガール ハイスクールはリズムアクション・3Dバトルゲームです。
家庭用ゲーム機と違いボタンがありませんので、タップとフリックだけで操作することになります。
このムービーのように、1拍子、2拍子、3拍子の組み合わせでタップします。タップに合わせてフリックすることでキャラクターを動かす操作を「ぷにコン」と呼びますが、この「ぷにコン」が配信終了に追い込まれた原因でもあります。
グランブルーファンタジーなどのブラウザーゲーム(アプリに見せかけているがHTMLを表示しているだけ)と違い、リアルタイムの3Dバトルです。
3Dではオルタナティブガールズ2などもありますが、そちらはターン制です。
ターン制だと考える時間を持てるのですが、その分、武器の相性や火・水・土・風・光・闇などの属性や毒・睡眠・麻痺などへの耐性など複雑な組み合わせがあり、力が拮抗するといつまで経ってもバトルが終了しません。
しかし、バトルガール ハイスクールは武器の相性だけでパラメーターもHP・SP・攻撃力・防御力しかなく、60秒、180秒などと決められた時間内で勝敗が決するので非常にシンプルです。
リアルタイム3Dアクションであるため、タップするタイミングやフリックする方向で戦局が大きく変わるため高難易度のゲームとなっており若干敷居は高かったように思えます。
メディア展開
1周年以降、いろいろとメディア展開されました。
CD
アニメ化が決まったためか、楽曲のリリースも始めました。
まず、「星守アイドルプロジェクト」としてゲーム内で使われた楽曲のCDを発売しました。
これがそれなりに売れたのか、更に楽曲に力をいれて「アイドルガールアフターガール」として夢落ちネタのアナザストーリーのイベント楽曲を分割でCDを発売しました。
更に展開を考えていたようですが、こちらは発売されませんでした。
また、ゲームのBGMのCDも発売されませんでした。
アニメ
2016年4月の1周年で発表され2017年7月から放送されました。4月からグランブルーファンタジーのアニメが放送されたので7月に時期をずらしたと思われます。
細かい部分の作画はひどいものでしたが、それなりに熱いストーリー展開でした。
ゲームの第4部はアニメでは語られなかったサイドストーリーとなっています。アニメでは曖昧のままのミサキの本名も明かされています。
BDとDVDが発売されていますが、特典が豪華なため非常に高価となってしまっています。
既に海外でも放送されたようで輸入盤も発売されています。こちらはPS4などでないと再生できませんがディスクだけなので安くなっています。
アニメの楽曲はOP、EDとBGMが発売されました。
書籍
第1部までのファンブック(B5判)と、
第3部ぐらいまでのオフィシャルアートワークス(A4判)、
第1部と第2部のラノベ、
2冊の4コマコミックスが発売になっています。すべてKADOKAWAです。
転機
順調に伸びているように見えていたバトルガール ハイスクールですが、2018年1月に事件が起きました。
バトルガール ハイスクールの問題ではなく、配信元のコロプラが任天堂に特許侵害で訴えられたことが影響しています。
侵害しているというのがバトルガール ハイスクールでも使われている「ぷにコン」です。
- 当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ(コロプラIRニュース、PDF)
このIRニュースが2018年1月10日ですが、バトルガール ハイスクールの攻略まとめWikiを掲載している電撃オンラインの対応は早く、当日には更新終了を発表しています。
- バトルガール ハイスクール攻略まとめWiki(電撃オンライン)
KADOKAWAとしてはグレーとは言え、任天堂とコロプラを天秤にかければ当然の判断でしょう。実際、コロプラは裁判で勝てる見込みが無いようです。
このことは大きかったようでKADOKAWA以外でもメディア展開が閉ざされたようです。KADOKAWAに限らず、書籍は第3部以降に関するものは全く発売されませんでした。
メディア展開による収益の道が閉ざされたバトルガール ハイスクールは、サービスが急激に悪化します。
変化は3周年の2018年4月に起きました。
それまで、新しいカードが追加されると10+1回のガチャで1日1回、4日間の確定ガチャを開催していました。リアルタイムの高難易度バトルで強力なスキルは必須なため、この確定ガチャは好評でした。
しかし、3周年を境に廃止してしまいました。
それは当然でメディア展開を閉ざされたことで収益はガチャだけとなり、安易に高スキルのカードをバラまくわけにはいかなくなったためです。私はギャンブルはやるつもりは無いので一切課金をしませんが、書籍とCDは殆ど買いました。こういうユーザーからは収益が得られなくなったということです。
以後、バトルガール ハイスクールは急激にユーザーを失ったようです。アプリの評価も下がって、新規ユーザーも獲得できなくなります。
- バトルガール ハイスクール(#セルラン分析/ゲーム株『Game-i』)
こちらでおおよその売り上げが確認できますが、3周年以降大幅に売り上げを落としています。
それでもある程度の売り上げを支えていたのは、ランキングでの順位などから500人にも満たない重課金ユーザーだと思われます。
2019年2月以降大幅に減っているのは第6部で終了を察知したためでしょう。
配信終了にあたって
バトルガール ハイスクールはシステム的には野心的でした。
非常に澄んだ湖のステージでは、水面が鏡面となり敵が映り込んでいるように表示されました。3Dの世界に鏡などという便利なものはありませんので、上下対象の敵を表示させていたわけで処理が2倍になるにもかかわらず、うまくバトルステージを組んでいました。
プールのステージでは足首ほど水が貯まったステージを駆けると水撥ねする表現や、武器から舞う花びらなど細かな映像表現もされていました。
配信終了決定後、残された予算をストーリーの完結に使ったようで、このことも非常に好ましいものです。
それによりメインストーリーの第1部から最終部までは豪華声優陣によるフルボイスとなりました。
最終部ではサドネの両親や「ソフ」という単語についても説明され一応の完結となっています。
配信終了後は、ゲームを起動できなくなりますので何か残るものとして書籍を企画しているようです。アンケートでは4タイプを想定しているようで、買ってくれそうな値段との折り合いでどうなるかはまだ分かりません。
KADOKAWA以外の出版社に売り込めれば多少は安くなるかもしれませんが、そうでない場合はグッズとして割高になるでしょう。
書籍では豪華声優陣の熱演は残せません。
配信終了まで残された時間はわずかですが、iOSではアプリ画面を録画できますので残しておくのもよいでしょう。
配信終了で思うこと
配信開始後、TV CMで知って始めたのですが、やはりスマホゲームには思うところがあります。
まず、どんなに気に入っていても配信が終了すれば二度とプレイできません。
また、モンスターハンターやPSO2などでは当たり前かもしれませんが、イベントの時期は運営側が決めるのでプレイする側はスケジュールを合わせる必要があるのも不便です。
年度末にPS4を入手して今は「神獄塔 メアリスケルター2」をプレイしていますが、自分のペースで進められ、見たいシーンがあればセーブデータからいつでも見れるという部分にやはり安心感があります。
蛇足ですが「神獄塔 メアリスケルター2」の予約特典が付いたものも、まだ販売されているようですが、プロダクトコードの使用期限は6月28日までです。
まとめ
スマホゲームですからいつか終わるのは分かっていました。それでも家庭用ゲーム機向けに移植するとかで残せないものかと思います。
PS Vitaのシェルノサージュというゲームもオンライン要素が濃いものでしたが、終了にあたりオフラインバージョンが発売されました。
スマホゲーム配信元には、ユーザーを単なる収益源と考えず、ユーザーのゲームに対する思い入れを理解してもらいたいものです。