Windows 10 バージョン1709 (Fall Creators Update)への強制アップデートプログラムである「Windows 10 更新アシスタント」の削除方法について説明します。
「Windows 10 更新アシスタント」の動作
「Windows 10 更新アシスタント」とは2018年2月下旬から配信され始めたWindows 10 バージョン1709への強制アップデートプログラムです。
動作はWindows 8.1/7からWindows 10に強制アップデートを行ったプログラムのようにユーザーに意思を無視して、このように表示して作業を邪魔するものです。
実体は「KB4023057」という更新プログラムなのですが、この番号は以前は累積更新プログラムとして配信されていたため検索しても正しい情報に辿り着かないように偽装されています。また、この「KB4023057」はすべての累積更新プログラムに混入して配信されているため、必ずインストールされてしまします。
プログラムの登録は更新プログラムではなく「プログラムのアンインストールまたは変更」に登録されます。また、アンインストールしても実体は削除されずに居座り、タスクによって自動的に自身の再インストールを行う非常に厄介なものです。
ただし、削除とブロックは可能ですので以下の手順で行ってください。
影響範囲と安全性
ここで説明する手順は「Windows 10 更新アシスタント」をブロックするだけです。
そのため他の更新プログラムやセキュリティパッチ、Windows Defenderの定義の更新などへの影響はありません。
そのためWindows 10の状態によってはWindows 10 バージョン1709にアップデートされないように
などを併用する必要があります。
また、ブロックが有効なのは現在のバージョンを使用している間のみとなります。バージョン1607からバージョン1703にアップデートすると再度「Windows 10 更新アシスタント」はインストールされます。
安全性については、ここでの操作は「Windows 10 更新アシスタント」が書き換えたWindows 10を元に戻す操作のため、Windows 10が不安定になるようなことはありません。
「Windows 10 更新アシスタント」の削除手順
以下、順番に説明します。
削除してもノロノロやっていると再インストールされますので中断せずに手早く行ってください。
1.ブロックツールのダウンロード
予め下記のサイトからブロックツールをダウンロードしておきます。
こちらのサイトにアクセスして、
ページの最後の方にあるこの部分をクリックして「更新プログラムの表示または非表示」トラブルシューティングツールパッケージ」をダウンロードします。
ファイル名は「wushowhide.diagcab」です。
2.暫定策の解除
こちらの記事で説明した暫定版を実施した場合は、
お手数ですがこちらに追記した「ブロックを解除する方法」で解除してください。
暫定版を実施していない場合は次に進んでください。
3.再登録タスクの確認
「Cortana」で「タスク」と入力して表示された候補から「タスクスケジューラ」をクリックして起動します。
左側の部分で「タスクスケジューラ(ローカル)」「タスクスケジューラライブラリ」「Microsoft」「Windows」「UpdateOrchestrator」を選択します。
中央上部に多数のタスクが表示されますので「UpdateAssistant」で始まる3つのタスクの状態を確認します。「準備完了」ではなく「実行中」となっている場合はそのタスクを選択して右下の「終了」をクリックして止めます。
「タスクスケジューラ」は開いたままにして次に進みます。
4.「Windows 10 更新アシスタント」関連プログラムの削除
「スタートメニュー」「Windowsシステムツール」の「コントロールパネル」を開いて「プログラムのアンインストール」をクリックします。
関連する3つのプログラムをアンインストールします。
- Update for Windows 10 for x64-based Systems (KB4023057)
- Windows 10 更新アシスタント
- Windows Setup Remediations (x64) (KB4023057)
x64の部分はプラットフォームによって変わりますので「KB4023057」の部分で確認してください。また状態によっては「Windows Setup Remediations (x64) (KB4023057)」はインストールされていない場合もあります。
これらを順に選択して「アンインストール」または「アンインストールと変更」をクリックして画面の指示に従ってアンインストールしてください。
アンインストールしたら「コントロールパネル」を閉じます。
5.タスクが削除されたことの確認
開いておいた「タスクスケジューラ」の右中央の「最新の情報に更新」をクリックします。
上記の手順でアンインストールが正常に行われていれば「UpdateAssistant」で始まる3つのタスクが消えます。
しかし、3つのタスクが残っている場合は1つずつ選択して右下の「削除」をクリックして3つのタスクを削除します。
3つのタスクが消えたら「タスクスケジューラ」を閉じます。
6.「KB4023057」をブロック
ダウンロードしておいた「wushowhide.diagcab」をダブルクリックして実行します。
「次へ」をクリックします。
「Hide updates」をクリックします。
一覧の中から「Windows 10 for x64-Based System用更新プログラム(KB4023057)」にチェックを入れます。x64の部分はプラットフォームで変わりますので「KB4023057」の部分で確認してください。
「Windows 10 for x64-Based System用更新プログラム(KB4023057)」が表示されない場合はタスクにより再インストールされた可能性がありますので「3.再登録タスクの確認」からやり直してください。
「次へ」をクリックします。
この画面で「解決済み」と表示されていることを必ず確認してください。
「解決済み」と表示されない場合はタスクにより再インストールされた可能性がありますので「3.再登録タスクの確認」からやり直してください。
「閉じる」をクリックして閉じます。
7.ダウンロードされたWindows 10 バージョン1709を削除
「Windows 10 更新アシスタント」をブロックしても進捗状況によってはWindows 10 バージョン1709にアップデートされてしまいます。
ダウンロードされたWindows 10 バージョン1709を削除してアップデートされないようにします。
「設定」アプリを起動して「システム」をクリックして左側で「ストレージ」選択して「PC (C:)」をクリックします。
「一時ファイル」をクリックします。
「Windowsの以前のバージョン」にチェックを入れて「ファイルの削除」をクリックします。
「Windowsの以前のバージョン」の表示が消えるか1GB以下になっていれば問題ありません。「設定」アプリを閉じます。
8.再起動
再起動してWindows 10 バージョン1709にアップデートされないことを確認してください。
万が一、Windows 10 バージョン1709へのアップデートが開始された場合はアップデート完了まで待って、こちらの方法ですぐに以前のバージョンに戻してから
「7.ダウンロードされたWindows 10 バージョン1709を削除」を再度実行してください。
電源ボタンを電源が切れるまで押し続けることでアップデートを中断できますが、パソコンが立ち上がらなくなる危険性がありますので、それを承知した上で行ってください。この場合は自動でアップデート前のバージョンに戻されます。
9.更新プログラムの確認
「設定」アプリを起動して「更新とセキュリティ」をクリックして左側で「Windows Update」を選択します。
「更新プログラムのチェック」をクリックして適用していない更新プログラムが無いか確認してください。
ここで「Windows 10 バージョン1709の機能更新プログラム」が表示される場合は、こちらの記事の方法でブロックしてください。
10.「Windows 10 更新アシスタント」の実体を削除(任意)
この手順は心配な方以外は実施しなくても構いません。
「Windows 10 更新アシスタント」の実体は、
- C:\Windows\UpdateAssistant
にあります。タスクが正しく削除されていれば問題ありませんが通常のWindows 10には存在しないものです。何かの問題で起動しないように削除しておいてもよいでしょう。
エクスプローラーで「C:\Windows」を開き、
- UpdateAssistant
- UpdateAssistantv2
の2つのフォルダーを選択して[Shift]を押しながら「削除」をクリックします。
この画面が表示されたら「はい」をクリックします。
「すべての項目にこれを実行する」にチェックを入れて「はい」をクリックします。
「すべての項目にこれを実行する」にチェックを入れて「続行」をクリックします。
まとめ
アップデート対策をしていた仕事用のWindows 10 Proパソコンが、いきなりカウントダウンを始めたのには驚きました。
今回の件は、Windows 10を使うことの危険性を再認識させられました。
Microsoftの気まぐれで仕事が妨害されるのですから、たまったものではありません。
真剣にMacへの移行を考えないとダメかもしれません。
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