Quantcast
Channel: Solomonレビュー
Viewing all articles
Browse latest Browse all 542

Windows 10 バージョン1709で、バカになったMicrosoft IME

$
0
0

Windows 10 Fall Creators Updateは、未完成だったCreators Updateを完成させただけで大きな問題は無いように感じます。

ただし、ひとつだけ許せない大きなバグがあります。Microsoft IMEがバカになったことです。

最近のMicrosoft IME

日本人がパソコンを使う上で必須なソフトがあります。英語しか入力できないキーボードから日本語を入力できるように「かな」や「ローマ字」から「ひらがな」「カタカナ」「漢字」に変換する「日本語IME」です。IMEとはInput Method Editorの略です。

昔は辞書が貧弱でパソコンの速度も遅かったので変換効率を競っていろいろな日本語IMEがありましたが、Windowsに付属するMicrosoft IMEがそこそこ賢くなったので、別途IMEを購入する人も少なくなったようです。

Windows 10に付属するMicrosoft IMEは大きく3つの日本語変換手法を搭載しています。

ひとつは従来からの標準辞書を使った「標準変換」です。

「標準統合辞書」「郵便番号辞書」「単漢字辞書」など幾つかの辞書を使って変換を行うのですが、これらは日本人が作っていません。そのため日本語に無い単語が多数含まれており以前に問題となったこともあります。

変換には「変換」キーまたは「スペース」キーを使用します。

 

もうひとつは予測辞書を使った「予測変換」です。

これはパソコンのスピードが向上したため可能となったものですが、変換操作をしなくても入力された「かな」でリアルタイムに辞書を検索して対応する漢字混じりの言葉を候補として表示するものです。

変換には「Tab」キーを使用します。

 

最後のひとつはクラウド辞書を使った「クラウド変換」です。

これは予測変換の延長でパソコン上に持つ予測変換辞書ではなく、クラウド上のクラウド辞書を使った予測変換です。

入力した「かな」がすべてクラウドに送信されるため使わない方が無難です。

変換には予測変換と同様に「Tab」キーを使用します。

 

標準辞書と予測辞書はWindows 10に内蔵されている辞書なので大型アップデートの際に更新されますがクラウド辞書は逐次更新されています。

 

変換方法でキーの使い分けが必要

クラウド変換は使わないとしても、変換操作で標準変換を使うか予測変換を使うかで変換キーとして「スペース」を使うか「タブ」を使うかを使い分けなければなりません。

「かな」を打ち込んで変換したい漢字が予測変換で表示されたところで「スペース」を叩いてしまうと標準変換となり全く異なる候補が表示されることがよくあります。

この「スペース」と「タブ」の使い分けは非常に煩雑ですが現状は「仕様」ということでMicrosoftも直す気が無いようです。

 

馬鹿になったという例

予測変換を「タブ」を使いながら変換する分には、それなりの精度で変換してくれるのでよいのですが、問題は標準変換です。

いくつか例を挙げます。

もちろん殆どの環境でこのような変換結果にはならないと思います。しかしフィードバックHubの賛成票を見る限り私の環境以外でも発生しているようです。

 

「756えん」と入力して「スペース」で変換するとこのような候補が出ます。

Windows10-v1709-foolish-Microsoft-IME-01

また、年を入力するとこのように数字が全角に変換されます。

Windows10-v1709-foolish-Microsoft-IME-12

「おうたいは」と入力しても「おうたいは」と「かな」が優先して候補に表示されます。

Windows10-v1709-foolish-Microsoft-IME-13

「ひょうじゅんとうさいされている」と入力すると「ひょうじゅんとうさいされている」と「かな」のまま候補に表示されます。

Windows10-v1709-foolish-Microsoft-IME-05

この状態で「Microsoft IME」誤変換レポートを見てみると、ことごとく「かな」が候補として表示されていることが分かります。また確定文字列が空欄の項目もセットで登録されています。

Windows10-v1709-foolish-Microsoft-IME-06

 

履歴を消去しても辞書を修復しても効果無し

学習履歴の消去なども試してみましたが効果はありません。

フィードバックHubに問題提起しても辞書がおかしいのだろうとの意見しかありません。

Windows Insider MeetupでMicrosoftのIMEの開発担当者に聞いてみたのですが、Windows 10 バージョン1709には当初Microsoft IMEの辞書が壊れるバグがあったが、正式リリースまでに修正されたとのことで、そのような事例は聞いたことが無いとのことでした。

一応、対策としては辞書の修復で直るかもしれないとのことでした。辞書の修復とは「Microsoft IMEの詳細設定」の「辞書/学習」タブにある「辞書の修復」を使います。

Windows10-v1709-foolish-Microsoft-IME-14

「修復」をクリックするとこの表示となるので「はい」をクリックします。学習履歴はすべて削除されますがユーザー登録単語は通常は削除されません。

Windows10-v1709-foolish-Microsoft-IME-15

これで直ったかに見えたのですが、しばらくすると元のおかしな「かな」への変換を始めます。

 

状況を見る限り、予測変換が主流となったため標準変換は軽視され辞書の作りがいい加減になっていること、また、最初に「かな」に変換してユーザーに学習を指示させようという意図が感じられることなど使い難いことこの上ない状態です。

常に全角に変換しようとするのは完全にバグだと思うのですが。

「通常変換がダメダメでも予測変換を使えばいいのではないか」と思われるかもしれませんが、右手親指(スペース)で変換するのと左手小指(タブ)で変換するのでは文書の入力効率で大きな違いがあります。また、長年慣れてきた親指(スペース)以外での変換は思考の妨げにもつながります。

 

まとめ

Microsoft IMEがおかしいことに気付いたのはWindows 10 バージョン1709にアップデートした直後でした。その後パソコンが壊れて新規に購入したパソコンにクリーンインストールしたにも関わらず、おかしな変換は再発しました。

また、別のパソコンでも同じ症状が出ており、やはりバグとしか思えません。

Windows 10 バージョン1803でも直らない、または直す気が無いならATOKに変えるしか無いのかもしれません。所詮、Microsoft IMEはWindowsの「おまけ」でしかないということでしょう。

 

Amazonで見る

Viewing all articles
Browse latest Browse all 542

Trending Articles